「圭介・・・
この人はお母さんの相方の 斎 さん。
その横にいる女の子は ちゃんよ」
母親に紹介された女性は優しそうに微笑み
「こんにちは圭介君。
圭介君のお母さんとは高校の時からの仲良しなのよ」
俺の頭を優しく撫ぜながら話かけてくれた
「この子は、。
圭介君と同じ歳なのよ。仲良くしてくれるかな?」
紹介された女の子は恥ずかしいのか母親の腕に
顔を隠していたが俺と目が合うと笑って
「斎 です」
自己紹介をしてくれた
だから
「オレ、山口 圭介」
よろしくな!
小さな俺と小さな女の子はすぐに仲良くなった。
どこに行くにも手を繋いで歩いた。
その数時間後には別れがくるとも知らず・・・・・・・・・・・
遠き想い出は姿を現す
青い空の中に白い大きな雲、てっぺんには光輝く太陽
時々聞えてくるセミの声
どれも夏を思わせる風景が広がっていた。
そんな中、もうすぐ夏休みと言うこともあってか、
それとも、テスト終了後という事もあってか
ココにいる人達は以上にテンションが高かった。
女の子特有の高い声、笑っている男子の声
どの声も楽しそうに聞えてくる。
この楽しそうな雰囲気の中に自分もいる。
周りに集まっている男友達や女友達に囲まれ
人の失敗談に笑ったり、今放送されているドラマの話をしたり
次から次に違う話が始まり、笑って終わっていく。
そんな中の言葉が頭の中に残った。
ダレが言ったのか忘れてしまったが
「メガネの子は可愛い子が多い」
そんな話だった。
たぶんテレビのCMか何かで確信を得て言っているんだろうけど
ドコにそんな根拠があるのか分からなかった。
でも、興味が沸いた。
「なにクダラナイ事言ってんの。
そんな事あるわけ無いじゃん」
女子の言葉が聞えた
「分からないかなぁ?
メガネっ子が普段かけているメガネを外したら新鮮さを感じるだろ。
その見慣れない顔が可愛いんじゃねぇか」
「なにそれ。マニアじゃない」
熱弁する男子に、からかう女子
そんな会話を笑いながら聞いて思い出した。
オレの知っている女の子はメガネをかけていた。
出会った時から今もかけている。
そういえば、外したところを見た事無いなぁ・・・・・
今度会った時に頼んでみよう・・・
そんな事を考えていたら、言い出した男子がマニアだと言われ、
言われた本人も認めた為、話はそれで終わった。
それから担任が入ってくるまで話は続いたが
帰りの礼を済ますとオレはすぐさま教室を出た。
教室を出る時に友達に
がんばれよ
と、応援され、廊下を走っていると知らない下級生に
頑張って下さい!
応援してます。
など声をかけられ
「ありがとう」
ソウ返す。
いつだったか言葉を返す事も、手を上げて表す事も
めんどくさくなった時に言われた。
「圭介がメンドクサイって思ってるんだったら、
プロの選手もメンドクサイのかなぁ・・・・・
応援しちゃダメなのかなぁ・・・・」
その言葉を聴いていらい返したり、表したりしている。
13番目の選手の有り難さはまだ分からないけど
苦しい時には応援して貰いたいからな
それにしても今日は良く思い出す日だ・・・・・・
初めて会った女の子はオレと同じく中3になった。
小さな女の子から少女になった
住んでいる所が違うから年に数回合えれば良い方だ。
そろそろくるんだろうなぁ・・・・・
なんてたって母さんとさんは相方らしいから・・・・
普通は友達とか親友と言うだろうに
相方ときたもんだ・・・・・いったいどんな関係なんだ?
春・夏・冬
年に3回会っている。
時々子供達を置いてドコかにも行っている
まぁ、家事や仕事ばかりなんだし息抜きも必要だからな
いつも迷惑をかけているんだ2,3日いないぐらいで文句は言わない
少女も何も言わないから同じ考えなんだろうな
考え事をしながら、思い出しながら
走ったり、電車に乗ったりして目的の場所に着く
今から大好きな時間が始まる
練習は好きだ
上手く出来た時の嬉しい
練習があるから試合で勝てる
負けると練習不足だと実感する
負けて悔しい思いをしたくないから練習するんだ。
なにより、サッカーが好きだ
土地柄もあるのかもしれない
何て言ってココはサッカーが盛んでサッカー留学をしてくるヤツもいるぐらいだ
ソイツが俺より上手い悔しい
好きなものでは1番でいたいからな。
周りのメンバーにも恵まれているからそんなヘマは絶対しない
夢はA代表だし
夢を夢で終わらす気はサラサラねえし
その為の努力を怠る気もないからな
練習の時は雑念はない
集中する
青空からオレンジ色の夕方になって
黒い夜がくると練習は終わってしまう。
メンバー達と話をしながら帰る
クラスのヤツらとは違いサッカーが中心の話
試合の話、選手の話、プレーの話
昼間の流れていく会話ではなく全ての話が頭の中に入ってくる。
情報交換みたいなものだ
話を聞いて実践してみようと言う事もある。
そんな楽しい時間も仲間と別れれば終わる訳で
ドコにもよらず空腹のまま家に帰ると
知らないクツが置いてあった。
客がいるのか・・・・・
玄関先で
ただいま
と声をかけたが聞えない事もあるので姿を見せる為
リビングに入って行くと客であろう人に声をかけられた
「お帰りなさい。圭介君」
「あら、圭介帰ってきてたの?」
客はダレなのだろう?
そんな考えはすぐに答えがでた。
「さん、お久しぶりです」
そう、思い出されていた少女の母親だ。
初めて会った時から変わっていない・・・・・
童顔なんだろうなぁ・・・
まぁ、母さんもソウだから驚きはしないけどな・・・・
と、言うコトは
「圭介君、が圭介君の部屋にいるのよ」
少女も一緒に来ている!
久しぶりに会えるコトが嬉しくて急いで部屋に行こうとしたら
とんでもない言葉を言われた
「ベットの下は見ない様にとは言っておいたんだけど・・・・
見付けていたらごめんなさいね」
ベットの下・・・・・・・・・・
なにか入れたけ??
「あら、見つけられていたら大変じゃない。
圭介、お母さんはタンスの奥がオススメよ」
はぁ?タンス奥??
「おばさんはベットの下に隠すもの良いんだけど
『木を隠すには森』て言うからには、本を隠すのは本棚だと思うわ」
「という事は、雑誌類はサッカー雑誌と混ぜて置いた方が良いてコトね!」
なんとなく分かった・・・・
そういう本かよ・・・
悪いけどベットの下でもないし本棚にも隠してない
もっと判り難い場所に置いているに決まってるだろ
俺で遊び飽きたのか何も言わなくなった二人を見ると
ミシンが置いてあり周りには黒い布と白いレースの生地が
あるのに気が付いた。
またか・・・・
2人して良く服を作っている
しかも、店じゃぁ絶対販売して無いだろうと言う様な服をだ
この前、ふざけていたのか有名ゲームのキャラの服を真似て作っていた。
ほんとにソックリに作ってあった為、驚いて
その後、着てみろといわれ素直に着てみると写真を撮られまくった・・・・
嬉しそうにしてたから良いかなぁ
なんて思って着てたら、
少女にも服を着ろと言いヒロインの服を着せてた。
そういえばアノ時の写真はどうしたんだ?
思い返せば母親達が作った服を着ては写真を撮られはするが
出来上がった写真は見てない・・・・
そんなコトを考えながら自分の部屋がある2階へと向かう
階段を上がりきり、自室のドアを開けた。